本番での転倒リスクと影響を最小限にするために
ここからは、
試合本番での転倒リスクと影響を
最小限に抑えるためにできる事を
考察していきます!
転倒リスクを下げる
まず、試合で起こりうる転倒のパターンを
以下の3つに分けます。
- ジャンプやスピンの踏切
- (実施前)
- ジャンプの着地やスピン中
(実施中・実施後) - 上記以外のスケーティング動作中
(ステップ含む)
これを踏まえて考えてみます。
エッジを研いでおく
ジャンプやスピンに入る前のスリップ、
いわゆる『抜け』のリスクを下げる
ために非常大事です!
特に氷が硬いリンクでは
エッジがない状態だと
ブレードが氷に噛み合いにくく、
スリップしやすくなるので
とても危険です。
※ エッジがない…
ブレードが摩耗して溝が浅くなっている状態。
ブレードが氷に食い込みづらいので、
エッジを深く倒した時に乗った時に
スリップしやすくなります。
浅田真央選手の2008年世界選手権FSの
冒頭の転倒もこのスリップです。
体幹を鍛える
着氷が乱れた時にどれだけ耐えられるか。
これは体幹力で決まります!
羽生選手や宇野選手などのトップ選手が
ものすごく軸が曲がっても決めてくる時、
強い体幹力を感じますよね。
私の後輩の筋肉マンも
その強靭な体幹力と強い意志で
9割の選手が転ぶ場面で
持ちこたえていました。
強い意志を持ってチェックする
『絶対降りる!』
という強い意志を持ってチェックする事。
これが一番大事です!!!
力むのはNGですが、
強い意志を持たなければ
降りれるジャンプも降りれません!
転倒の影響を抑える
次に転倒が及ぼす影響、すなわち
- 身体的・精神的なダメージによる
転倒の連鎖 - パフォーマンスの低下
を抑えるためにできる事を考えます!
体力をつける
先に述べたように、
転倒すると体力を消耗します。
そして体力が持たなくなると、
失敗や転倒のリスクがさらに上がります。
これを避けるためには、
転倒した分を差し引いても
最後まで体力が切れないようにする
ことが重要になってきます!
感覚修正の要素を挟む
次の転倒や失敗を引き起こしうる
『感覚の狂い』を修正するために、
転倒リスクの高いジャンプの後に
狂いにくい得意なジャンプや
休憩動作を入れておくのも一つの手です。
平常心を保つ
焦ると呼吸が早くなったり、
文字通り地に足がしっかり
ついていない状態になりがちです。
また、慎重になりすぎて
いつものスピードや感覚と
違ってきてしまいます。
落ち着いて、呼吸を整えて、
いつも通りのスピードと心で
演技の続きに臨みましょう。
最後まで諦めない、集中を切らさない
どれだけ途中で投げ出したくなっても、
試合である以上
私たちはプログラムを
最後まで滑りきらなければなりません。
特に失敗が続くと
本当に心が折れそうになりますが、
最後まで諦めない、
集中を切らさない事は
パフォーマンスを保つ上で非常に大切です。
最後に
いかがでしたか?
たかが転倒、されど転倒。
改めて転倒にだけ焦点を当ててみると、
減点だけではない、
様々な側面が見えたかと思います。
また、冒頭でお伝えしたように、
転倒自体は悪いことではありません。
むしろ練習では、
幾度とない転倒を乗り越えた先に
習得するものが多くあります。
そして試合本番でも、
難しい技に挑戦すればするほど
失敗や転倒のリスクは高まりますし、
転倒はどうしても起こります。
その上で、
少しでも転倒のリスクと
その影響を抑えるために、
選手の方はここまでに書いた事を
お試しいただけばと思います!
また、見る方は、
選手が演技で転倒した際には
ぜひ選手にあたたかなエールを
送っていただければと思います♪
周りの応援が
一番心の支えになります!
最後まで読んでいただき、
ありがとうございました!
まる
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