【採点・基本のき】フィギュアスケートの採点方法

こんにちは、まる です!


『パーソナルベスト更新!』
『世界最高得点が〜』


演技後にこんな言葉を聞くこともしばしばですよね。


フィギュアスケートは 採点競技です。



0.1点の差でフリー進出や次の試合への出場権が決まる、
そんなギリギリの戦いが繰り広げられているこの世界では
ルールを制する者が勝つと言っても過言ではありません。

実際に私もスピンで失敗して、僅差で入賞を逃した苦〜い思い出があります(泣)


どうせ試合に出るなら勝ちたいと思うのが世の常ですよね?

少しでも高い得点を取るには、
まず第一に採点方法を理解する事が不可欠です!


この投稿では
★ 得点の基本構造
★ 得点を構成する各項目の基本的な部分
を中心に説明していきます!

かなり長いので、知りたい項目を選んで見ていただくことをお勧めします

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フィギュアスケートの得点の基本構造

フィギュアスケートの得点の基本構造は、

総合得点 = 技術点 + 演技構成点 – 減点

で表せます。
これはシングル・ペア、ダンス、ショート・フリー問わず同じです。

この3つをもう少し細かく見ると、

 技術点
 = エレメンツ (技) の基礎点
  + 出来栄え点 (GOE)

 演技構成点
 = 5つの演技構成要素の
   評価の合計

 減点
 = 転倒・時間超過・演技中断 等

という構成になっています。

1点でも多く取るためには
基礎点・演技構成点・プラスのGOEを高め、
減点・マイナスのGOEを小さくしなければなりません。

では、各項目について
もう少し詳しく見ていきましょう!

技術点 (TES)

技術点(TES = Tecnical Elements Score)は、
エレメンツ (技) の基礎点 (BV) + 出来栄え点 (GOE) で決まります。

基礎点 (BV)

基礎点 (BV = Base Value) は、
選手が実際に行った各エレメンツ(要素)の基礎点の合計
で決まります。


なお前提として、基礎点を持つエレメンツは
シングルでは ジャンプ ・ スピン ・ ステップ の3つのみです。

かの有名なイナバウアーやイーグルはここに含まれないので、単体では得点になりません
その代わりにコレオシークエンスや演技構成点で評価されます!


基礎点は各エレメンツで世界共通の値が定められています。


 ジャンプなら種類と回転数
 スピンなら種類とレベル
 ステップならレベル

によって、それぞれ難易度に応じて点数が異なります。



実行した要素の基礎点は加算式に積み上がるので、
難しい要素をこなすほどに点数が上がります。

とはいえ、出場クラスやショート・フリーなどによって
実施できるエレメンツの数や種類が細かく規定されていますし、
同じ種類のジャンプを跳んでいい回数の制限などがあるので、
色々と考えながら戦略を立てなければなりません。


必須要素が抜けていたが故に、
せっかくのジャンプが0点になる
なんて事は絶対に避けたいものです


ちなみに2019-20のルールでは、ジュニアとシニアのフリーですとボーナスとして
最後の3つのジャンプは基礎点が1.1倍になるので、
あえてここに難しいジャンプを持ってくる事もあります。
ちなみにショートは最後のジャンプのみ1.1倍です。

口で言うのは簡単ですが、実際のところ後半はかなり体力的にしんどいです!!

出来栄え点 (GOE)


出来栄え点(GOE = Grade Of Execution)は、
エレメンツごとにジャッジが +5 〜 -5の11段階で評価
する事で決まります。

プラスとマイナスの判定基準はガイドラインで明確に定められており、
両要素を加味して最終的なGOEが決まります。
当然プラス要素が多く、マイナス要素が少ないほど高いGOEが得られます。

ガイドラインは日本スケート連盟の
公式HPで公開されていますので、
見ることを強く!お勧めします!
<GOE採点のガイドラインはこちらから>


なお、GOEは係数なので、+5のGOE評価でもらえる加点はエレメンツの基礎点によって異なります。

例えば、同じ+5のGOE評価でも、
 基礎点3.30点の2Aでは +1.65点
 基礎点1.10点の1Aでは  +0.55点
といった具合です。


エレメンツの難易度を下げて手堅く+のGOEを狙うか、
難易度を上げてリスクを取るかは選手の戦略次第です。

ちなみにエレメンツの難易度や出来栄えは少なからず演技構成点にも影響します!
こちらの最後にちょろっと書いています

演技構成点(PCS)

演技構成点(PCS = Program Components Score)は5つの演技構成要素に分けられ、
各構成要素の評価の合計点で決まります。
各要素はは10点満点、0.25刻みで評価されます。

演技構成点は語り始めると長くなるので(笑)、
ここでは簡単な説明にとどめます!
詳しくは各要素の解説記事をご覧ください 🙂

以下、5つの構成要素です。


  • スケーティング・スキル(SS = Skating skills)
    エッジの深さやターンの巧みさ、滑りそのものの上手さ等が評価されます。
     解説記事は \こちら

  • トランジション(TR = Transition)
    要素と要素の間の部分がここで評価されます。
    なお、ここではジャンプの難易度やシークエンス中の動作は考慮されません。
     解説記事は \こちら

  • パフォーマンス(PE = Performance)
    一言で表すと、『どのように表現しようとしているのか』 です。

    例えば視線や表情、指先まで美しい姿勢などはここで評価されます。
    観客をどれだけ引き込めているかも、パフォーマンスの指標の一つです。
     解説記事は \こちら

  • 構成(CO = Composition)
    一言で表すと、『何を表現しようとしているのか』 です。

    プログラム全体のストーリー性や、
    リンク全体・自分の周りの3次元的な空間をどう使っているかなどが評価されます。
    この項目は振付そのものによる影響も大です。
     解説記事は \こちら

  • 音楽の解釈 /  タイミング(IN = Interpritation)
    一言で表すと、『物理的に音と合っているか』 です。

    リズミカルな音楽でテンポよく踊っていたり、
    音楽にのタイミングや特徴に合わせた動きがはっきり分かる時などはここで評価されます。
     解説記事は \こちら


PCS定義と細かい評価基準も
日ス連のHPにて公開されていますので、
こちらも見ておく事を強くお勧めします!
<PCSの定義はこちらから>


これら5項目は別々に点数がつけられますが、全てが連動していることが多いです。
中でも

滑りの技術的な要素が強い SS・TR
演技・表現的な要素が強い PE・CO・IN

は、特に密接に関わっているように感じます。

減点/ボーナス

ここでいう減点は、
転倒や演技時間オーバー・中断、バックフリップ(氷上バク宙)などの違反 を指します。

転倒に関してはGOEのマイナスと別枠で減点されるので、ダブルパンチをくらいます。

部員とハイタッチしてたらコールから30秒以上経ってた…
なんて勿体無すぎるので、気をつけましょう!


ボーナスは、先ほど技術点の項目で述べた後半のジャンプは基礎点が1.1倍になることを指します。
(ショート・フリーによって条件は異なります)

最後に

今回は基本のきの部分を細かく説明していきました。

『そんな当たり前のこと今さら!』という方もいれば、
案外知らない事に気付いた方もいるのではないでしょうか?

もちろん、点数だけで測れないものもあります。

あの浅田真央選手のソチフリーの演技は
メダルこそ逃しましたが、
多くの人の心に残る名演技として
今後も語り継がれるでしょう。

とはいえ、試合に出る以上は
やはり勝ちにいく事は大事です

また、
この評価項目に上達のヒントがあると私は思っています。


実際の練習でのアプローチ方法や、
個別の考察は今後書いていきます!


繰り返しになりますが、この競技は
ルールを制する者が勝つ
といっても過言ではありません。


一見難しそうに見えますが、ルールを理解する事で見えてくる事も多いので、頑張っていきましょう!

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